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鯉のぼり

失う朝を跳ねてゆく

真っ赤なバレエシューズで

愉快に跳ねてゆく

 

鋭い風を諸共せず、それを動力に変えて

脚にまとわりつくような冷気が心地よく、ワンピースは羽のようになびく

 

東京都上空を旋回するように舞っておりました

 

桜の花びらが地上から姿を消しはじめたことにハッと気づいた

 

油断

 

漆黒に輝く一羽のカラスが私の胸を引き裂いたのは偶然?

 

白いワンピースに血が滲み出し、徐々に赤色の面積が増えていく

 

身体を浮かせたまま、茫然と断腸の痛みに悶える

 

私の白いワンピースは完全に血で染まりました

それが白いワンピースであったことが遠い昔であるような

 

次第に身体が重力を感じはじめ、ゆらゆらと地上へと降下していく

 

私の心臓が落ちた場所は、吉祥寺駅中央線

プラットホーム

 

パンッ!と、鯉が水面から勢いよく跳ねるような、そんな音が響いた

 

時刻は0時少し前