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23時

運ばれてきたカルアミルクは、想像より可愛いらしかった。

けどホイップクリームの上にちょこんと乗ったサクランボは小さいながらも凛としている。

“二次会”な、ざわめいた光を反射し、空間をサクランボ色に染めた。

 

初めてカルアミルクを飲むあの人達、

弱いのにビールを飲む彼

その横でマンゴーサワーを飲む色っぽい彼女と

その前でポップコーンをむさぼるあの人や、

サメ映画を語る先輩

 

ショコラオランジェ、ショコラオランジェ

18の私にとって、この時間のパフェは罪の味

オランジェってフランス語?クリームを掻き分けてもオレンジが見当たらない。

お洒落な名前だけど、実質はチョコバナナパフェ

名前負けに屈するものかと張り合うような芯がある美味しさに頰を落とす

 

なんて若いんだろう

 

終電前、ビール1杯でベロンベロンな彼に水を買って渡す

 

「君、水を買うなんて、今日は雨が降ってるから合理的じゃないじゃないか!」

 

 

そうだ今日は雨だ!

 

夕方から降りはじめた春の雨はしっかり本降りになった

 

ゲロとガムが散乱した冷たいコンクリートに寝そべって、この大都市の片隅で、大きく大きく口を開こう

 

喉の乾きを癒し、酔いをさますのは春の暖かな雨水

ミネラルウォーターは冷たすぎる

すべすべとした肌に滴る雫が、排水口に流れるまでは今

岡村靖幸カルアミルクの“あの頃”を走る今

 

頑張ってみるよ

若いのだから